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不動産売却の流れ 2023/05/22

不動産の査定方法って?高く売りたいなら知っておくべきポイント

不動産を売却しようと思ったら、まず査定してもらって土地にどのくらいの価値があるのか?ということを調べることが多いですよね。

しかし肝心の査定方法がどうなっているのか、それを知っておかないと提示された金額で本当に売れるのかどうかがわかりません。

そこで今回は、不動産の査定方法はどうなっているのか、売る前に抑えておきたいポイントについてまとめました。

どのような基準で不動産が査定されているのかを知っておくことで、安心して話を進めていけるでしょう。

不動産の査定方法は1つじゃない!目的によって異なる

不動産の査定方法にはいくつか種類があります。

  • 取引事例比較法
  • 原価法
  • 収益還元法

どの方法を使うかによって査定額が変わってきます。

「このくらいです」と金額を提示された時にその額がどういった方法で算出されたものかを知っておくと、その金額で妥当なのかどうかが説明を聞いてわかりやすくなるでしょう。

個人が所有する不動産は、一般的には取引事例比較法、もしくは原価法が使われることが多いです。

取引事例比較法は最も基本的な査定方法

「比較法」というだけあって、対象の不動産と同じような条件の不動産の価格を比較する方法です。

  • 最寄駅からの距離
  • 広さ
  • 築年数
  • 立地条件

など、似ている物件をまずはピックアップし、それらの物件が実際にどのくらいの価格で取引されたのか、事例を元に査定額を算出します。

同じような事例が多いほど、実際の売値に近い額が出せますので、どの会社が査定をしてもだいたい同じような価格が出てきます。

つまり「このくらいの物件ならこのくらいの額」という、相場価格です。

価格の算定方法

査定をしたい物件と同じような物件を探し、その価格を比較します。

家(マンション等)の場合は、およその面積、間取りなどから似たような物件の売買価格を比較してみます。

例えば、同じエリアにある似たようなマンションの一室が昨年は4000万円で売買されていた、今年に入りやや価格が上がり、4500万円ほどになっているならば査定額は4500万円となります。

実際には、もっと細かく条件を考えますのでこれほど単純ではありませんが、同じエリア内でどういった売買価格の傾向があるかを基にして算出します。

土地の場合は全く同じ広さ、条件の土地というものがないため、坪単価を割り出した上で比較をしていきます。

売りたい土地が50坪だとして、周囲の売り地の坪単価を平均してみます。

広さ 価格 坪単価
土地A 30坪 600万円 200,000円
土地B 60坪 900万円 150,000円
土地C 100坪 1000万円 100,000円

平均坪単価=150000円
50坪×150000円=7,500,000円

およそですが、このような形で近い額を割り出していくのです。

価格査定マニュアルによって計算している

査定額を出すための評点の付け方、考え方は一応統一されたものがあり、「価格査定マニュアル」というものが存在します。

公益財団法人・不動産流通推進センターというところが定めたもので、不動産会社の多くはこのマニュアルを利用しています。

マニュアルといっても本ではなくてパソコンソフトとして使われていますので、査定したい物件の情報を入力すると自動で計算されるようになっています。

比較する物件をどう選ぶかで価格が変わる

ではどの会社に依頼しても査定額は同じではないかと思いますよね。しかし、実際に出てきた査定額にはばらつきがあることがあります

その理由は、比較する物件の選び方に違いがあるからです。

例えば、大きなマンションで、同じマンションの中に似たような部屋の事例があれば比較はしやすいですよね。

しかし少し離れたマンションであれば、どのような部屋を選ぶかによって微妙に金額に違いが出てくるのです。

担当者によって比較する物件が違うので、選び方によって査定額が左右される、と覚えておいてください。

一戸建ての査定方法で使われる原価法

原価法とは、今ある建物を壊してもう一度建てた時にどのくらいの費用がかかるかを計算する方法です。

対象不動産価格(積算価格)=再調達原価ー減価修正

という計算式で求められます。

減価修正とは、新しく建てる場合の費用から、今の建物の老朽化している分を差し引くことです。

耐用年数を使って価格を割り出すと簡単に計算できますが、このような計算式になります。

積算価格=単価×総面積×残存年数(耐用年数-築年数)÷耐用年数

再調達価格は建物の構造によって違います。木造と鉄筋では耐用年数が違いますよね。鉄筋で建てた方が長持ちしますので、再調達価格は高めになっています。

構造 再調達価格 法定耐用年数
木造 15万円/㎡ 22年
軽量鉄骨 15万円/㎡ 22年
重量鉄骨 18万円/㎡ 34年
RC 20万円/㎡ 47年

家は築年数に応じて価値が減っていきますから、その分を差し引いた額が今の査定額になるということです。

例えば、築年数が10年、延べ床面積100㎡の木造住宅の場合、100㎡×15万円/㎡×(22-10)/22=およそ800万円

という計算になります。

実際にはあまり使われていない

原価法で計算すると、建物の耐用年数によって価値が一律に下落してしまうため、例えば築22年を超えた木造建築は価値がないと いうことになってしまいます。

しかし、実際にはそのようなことはないですよね。作りのしっかりした家であれば、内装のリフォームさえすれば新築とはいかないまでも、十分使えるでしょう。

ですから、実際に原価法のみで査定することはほとんどなく、取引事例比較法などをメインに使いつつ、より正確な価格を出すための補完として使われることが多いです。

主に投資用の物件に使われる収益還元法

収益還元法とは、主に投資用の物件の価格を査定する場合に使われる方法です。収益還元法には2つの計算法があります。

直接還元法
一定期間の純利益から還元利回りで割る方法
  • 1年間の収益:300万円
  • 経費:30万円
  • 還元利回り:4%

<計算>(300万円ー30万円)÷4%=6,750万円

DCF法
ディスカウントキャッシュフローの略で、将来的な物件の価値を現在価格に置き換えて計算する方法。家賃の下落などを割り引いて計算します。
  • 1年間の家賃収益:300万円
  • 割引率:3%

この条件の物件を2年後に1000万円で売ろうとする場合、普通に考えると物件の価値は1600万円ですが、DCF法では家賃の下落を見越して割引率(価値の下落率)を設定して計算します。

1年目:300万円÷(1+3%)=2,912,621円
2年目:300万円÷(1+3%)²=2,827,787円

1000万円÷(1+3%)²=9,425,959円
2,912,621円+2,827,787円+9,425,959円=15,166,367円

という計算になります。

実際に見て査定をしてくれるかどうかも大事!

計算方法の区分の他に、どうやって査定するか、

  • 机上査定
  • 訪問査定

という2つの方法があります。

どちらが良いのでしょうか。

机上査定

机上査定とは読んで字のごとく、様々な条件を基にして机上で計算する方法です。

実際の物件を見ることはなく、あくまでも市場の相場や過去の取引条件などを基にして計算しますので、短時間で金額がわかります。短ければ30分〜1時間程度で査定してくれます。

しつこく営業される心配はないですし、とりあえずおよその金額がわかればいいという方は机上査定で十分でしょう。

簡易的な方法ではありますが、都市部など事例が多いところであればそれなりに精度の高い計算ができます

訪問査定

訪問査定は実際の物件を見て査定をしますから、より精度の高い査定になります。

  • 駅からの距離
  • 接道状況
  • 部屋の日当たり
  • 間取り、部屋の傷み具合

などを実際に見るので、訪問の時間は1〜2時間程度かかるでしょう。

見た情報を基にして、さらに詳しく条件を加えて査定をしていくので、結果が出るまでに1〜2週間かかることもあります。

また、担当者によってはしつこく営業をしてくる可能性もあります。

ただ、多くの不動産会社は無料で行ってくれるので、時間はかかってもできるだけ正確な金額が知りたいという方に向いています。本気で売却を考えているなら、訪問査定の方が良いでしょう。

査定を依頼するときに知っておくべきこと

査定をスムーズに進め、なおかつできるだけ正確な情報を得るために、依頼する前にやっておいてほしいことがあります。

書類を準備しておくとスムーズに話が進む

査定を依頼するならば、必要な情報を提供できるように物件に関わる書類を用意しておくことをおすすめします。

  • 本人確認書類
  • 陶器の権利書
  • 固定資産税納税通知書
  • 集合住宅の場合は占有面積がわかる書類

わからない場合には、査定をお願いするときに他に必要な書類があるかどうか聞いてみてください。

基本的な情報は押さえておくこと

住所や間取りはもちろんのこと、以下の情報についても理解しておきましょう。

  • 物件の種類(土地のみ、戸建て、マンションなど)
  • 築年数
  • 間取り
  • 敷地の面積

などを細かく説明できれば話がスムーズに進みます。

物件の正確な状態を把握しておく

家や土地について、不具合があれば事前に伝えておくことも必要です。修正できるものであれば売り出す前にしないといけません。

万が一、売ってから瑕疵が判明するとトラブルになります。売主には瑕疵担保責任がありますから、売った後に不具合があると修繕費を求められます。

今ある不具合が修繕可能かどうか、不可能であればそれが査定額に影響しますので、きちんと把握して包み隠さず伝えてください。

ちなみに瑕疵担保責任は「引き渡しから半年」などの期限を区切ることが可能です。

リフォームの必要があるかも聞いておこう

実際に見てもらえば、リフォームするべきかどうかというところも見てもらえます。クリーニングだけでも良いか、リフォームをしたほうがいいか、素人では判断が出来兼ねますので、そこも見てもらいましょう。

場合によってはリフォームをせずに売って、買主に好きなように作り変えてもらうほうが高く売れる場合もあるからです。

それを知らずに勝手にリフォームをしてしまうと、無駄な出費になりますから気をつけましょう。

査定は必ず複数の不動産会社に依頼すること

不動産の査定方法を3つ紹介しましたが、どの方法をとるかは不動産会社次第です。

どの方法を使うべきかということが決められていないので、会社や担当者によって査定額が変わるのです。

必ず複数の会社に依頼するようにしてください。

それぞれの価格の違いを知る

査定価格は実際に売れる価格ではありません。不動産の価格には、以下の種類があります。

  • 相場価格:現時点で想定される価格。市場価格。
  • 査定価格:このくらいで売れるであろうと不動産会社が計算した価格
  • 売り出し価格:実際に売り出す時の価格
  • 販売価格:今の販売価格。売り出し価格より下がることもある。
  • 成約価格:実際に契約を結ぶ価格。取引価格。

不動産会社に査定をお願いしても、その価格で売り出すかどうかは別の話ですし、売り出し価格で必ずしも売買契約となるわけでもありません。

最終的にどのくらいの価格になるかは売ってみないとわからないというのが正直なところです。

このような価格の違いについてもわかりやすく説明してくれる不動産会社を選ぶようにしてください。

売主の目的によっても価格に差が出る

転勤などを控えていれば、少しでも早く売りたいですよね。そうなると多少価格が下がっても早く売れるほうが嬉しでしょう。

相続した土地を売るのであれば、それほど急いではいないけれど高く売れると嬉しいですね。つまり、売る側の目的によっても価格に差が出てきます。

どうすれば売主の目的に合致した売り方ができるのか、そこを考えてくれる不動産会社を選ぶことが大切です。

高い査定額に惑わされないこと

査定価格が高ければいいというわけではありません。先ほども説明しましたが、査定額=売却価格ではないからです。

低い査定を出されると、「こんな価格でしか売れないの?」と思ってしまいますが、それだけで不動産会社の価値を決めてはいけません。

  • どのような媒介契約にするか
  • どのような売却活動をするか

実際に売るとなった時にどのように動いてくれるかが大事なので、査定額だけで選ばずに、納得がいくまで話をしてください。

こちらの売る目的、希望などを親身になって聞いてくれる会社が一番でしょう。

査定方法は様々。金額だけに惑わされない!

不動産を査定してもらった経験のある人などあまりいないでしょう。金額も大きですし、どれが正しいのかもわかりにくいです。

しかし、3つ方法があるということ、査定の仕方によって金額が変わるということを知っておくだけでも、「高い金額」に惑わされることはなくなるでしょう。

複数の会社に査定の依頼をし、より詳しく説明してくれる会社を選ぶと失敗が少ないです。

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