不動産売却の流れ 2019/11/15
物件内覧時に好印象を与えて少しでも早く安く物件を売却するコツ
物件を売る時に避けて通れないのが内覧です。内覧での印象が売却できるかどうかを左右する、といっても過言ではありません。
内覧者の印象を良くして「買いたい!」と思ってもらうためにはどうすればいいのか、第一印象を良くするためのポイントについてまとめました。
あわせて、これだけはダメ!という注意点についてもご紹介しますので、少しでも早く、高く物件を売りたいと思っている方は、是非参考にしてください。
住んでいるのに内覧してもらう難しさをクリア
物件を売却するにあたって、仮住まいを確保できればいいのですが、ローンと仮住まいの賃貸料と二重に費用がかかることから、とりあえず住んだまま内覧してもらう人も多いでしょう。
しかし、人が住んでいる状態で内覧してもらえるのか、見にきてくれた方に良い印象を与えることができるのか不安だと思います。
大丈夫です、住んだままでも内覧をしてもらい、好印象を与えることは可能です。そのために、少しだけ工夫をしていきましょう。
居住中でも問題なし!
住んだままだと生活感が出てしまって良くないのでは?と思うかもしれませんが、空室がいいかというとそうでもないのです。
というのも、新築物件だったら何もない状態でも良いですが、中古ですとどうしても生活の跡が残っていますよね。
日焼けしてしまっているところなどがあると目立ちますし、むしろ家具で隠されている方が粗が目立たないというメリットも。
もし空室にして汚れが目立つようだと、クリーニングだけではどうにもならず、リフォームする羽目になったら費用もかさんでしまいます。
ですから、きちんと整理整頓してスッキリ見せることができれば、必ずしも空室にする必要はありません。
毎日少しずつ掃除をする
住んだまま売る時の工夫としては、売ると決めたら毎日少しずつ掃除をしていくことです。内覧で良い印象を与えるにはとにかくきれいにするしかありません。
ハウスクリーニングを入れても日々の生活の中で少しずつ汚れていくものです。
少し手間ですが、その手間が価格に反映されるかもしれないと思えば頑張れるでしょう。
思い切って物を捨てていこう
いい機会なので掃除をしながらどんどん物を捨ててください。
家の中はスッキリしているほどきれいに見えます。逆に、物が溢れているとどんなに掃除をしても生活感が出てしまいます。
物件の内覧で好印象を与える13のポイント
掃除をする、物を捨てて部屋をスッキリ見せるという以外にどんなポイントに気をつければ良いか、一つずつ見ていきましょう!
1.何よりも大事な第一印象
まず大事なのが第一印象です。ドアを開けて部屋に入った時のイメージです。
毎日見ているとわからなくなってしまうので、内覧者になった気持ちでドアを開けてみてください。
ドアを開けた瞬間に、気持ちが浮き立つような、そんなお部屋になるようにしてください。
2.靴はすべて片付けて玄関を広く見せる
玄関は家の顔ともいうべき場所。部屋より何より、玄関がとても大事なのです。
第一印象の良し悪しは玄関で決まると言っても過言ではありません。
- 靴は全て下駄箱にしまう
- たたきはしっかり掃き掃除をする
- できれば水拭きもする
- ドアノブなど細かいところも拭き掃除をする
- 傘は傘立てにきちんとしまう
靴箱の中も、もちろん整理整頓してください。靴箱の中も見たいと言われる場合があります。
きちんと靴を並べ、100均グッズなどを利用して上下に靴を重ねて収納するのもおすすめ。開けた時にスッキリ片付いているとそれだけ印象が良くなりますよね。
靴箱は臭いがたまりやすい場所でもあるので、脱臭剤を置いて臭い対策をすることもお忘れなく!
3.快適な温度を心がける
内覧の時には、暑すぎず寒すぎず、適度な温度になるように調節してください。
夏は冷やしすぎないように気をつけつつ、冬は湿度にも気を使いましょう。
4.リビングもスッキリ
リビングは家族が集まる場所なので、ゆったりとくつろげるイメージを与えられるように、余りものをおかずスッキリ見せることが大切です。
テーブルやソファなど家具以外は何もないというのが理想です。
ティッシュボックスなどは生活感を感じますよね。
そのようなものは、テーブルの下に突っ張り棒を渡してそこに収納してしまうのもおすすめ。外側からは見えないので生活感を消すことができます。
また、収納する場所が少なくてものが片付けられないという時には、バスケットやプラスチックのケースを使いましょう。
5.最も重要な水周り
玄関の次に重要といってもいい、水回り。
- 洗面所
- トイレ
- 浴室
などは徹底的に掃除をしてください。
ただ掃除をするだけでなく、水垢を落とすなどしてできるだけピカピカに見えるようにすることが大切です。軽い汚れならメラミンスポンジでも落とすことができます。
頑固な汚れには重曹やクエン酸を使って磨いてみてください。
ホームセンターに行くとプロが使うような掃除用具も売っていますし、もしそれでも汚れが落ちなければハウスクリーニングなどを利用して徹底的にきれいにしましょう!
忙しい方は、最初からハウスクリーニングにお願いするのもいいかもしれません。
6.生活感が出やすいキッチン
水回りと同様に大事なポイントがキッチンです。
キッチンは生活感が出やすいので、ここにもなるべくものを置かないようにすることと、シンクの水垢なども徹底的に掃除をします。
食器類は全て片付けて、スッキリ広く見せるようにしてください。
7.忘れがちなベランダ(バルコニー)
ベランダは意外と掃除を忘れやすい場所なのですが、内覧者に見たいと言われることがありますので、お掃除をお忘れなく。
ベランダは普段あまり掃除をしない場所ですので、素足で出ても大丈夫に見えるくらい掃き掃除、拭き掃除をしてみましょう。
8.部屋の臭いをチェック!
そこで暮らしている人にはわかりにくいのですが、初めて来た人にはよくわかるのが部屋の臭いです。
ペットを飼っている人は特に注意です。
飼い主にとっては気にならない臭いでも、動物を飼っていない人にはとても不快に感じることがあるからです。
芳香剤は部屋の臭いと混ざり合ってしまい、かえってよくない場合も。
使うなら無香料の除菌消臭スプレーなどの方が良いでしょう。カーテンなど布製品にも臭いが染み付いていますから、こちらのスプレーもお忘れなく。
- 空気清浄機を設置する
- エアコンのフィルターを掃除する
などの対策も有効です。
9.明るさチェックも忘れずに
内覧者が来る日は、カーテンを開けて自然光が入るようにするとともに、窓の近くには物を置かないようにします。
こうすることで部屋全体が明るく、広く見えるからです。窓ガラスも拭いておくと、より明るく見えますよ。
電気は内覧者が来る前に全てつけておきます。そうすることで家に入った時にパーっと明るい印象を与えることができるでしょう。
10.お金をかけないインテリアの工夫
少しでも生活感をなくし、部屋をきれいに見せる工夫もご紹介します。
- スリッパを新調する
- タオルを新調する
- キッチンスポンジを新しいものと交換する
- シャンプーボトルをおしゃれにする
- 玄関に小さくてもいいから観葉植物を飾る
例えばタオルなどは別にブランド物の高級品でなくても構いません。安くても真新しい白いタオルだったらそれだけで清潔感がありますよね。
おしゃれに見せるコツとしては、色合いやデザインを揃えることです。
たくさんの色を使ってしまうとごちゃごちゃして見えるので、白で統一するなどするといいでしょう。
11.ホームステージングを利用する
最近中古物件を売るときによく利用されるようになってきたのが、ホームステージングです。
ホームステージングとは、おしゃれな家具などを置いてモデルルームのように素敵な部屋にしてくれるサービスのこと。
空き室はもちろんのこと、住んでいる部屋でも対応してくれます。
掃除をしても生活感を消せないというような場合、印象が悪いと値下げ交渉をされてしまいますよね。
それならばいっそのことこのようなサービスを利用して、なるべく理想の価格で売れるようにした方が良いのではないでしょうか。
たとえホームステージングに20〜30万円かかったとしても、100万円値下げするよりはいいと思いませんか。
12.マンションはエントランスや共有部分も大事
一戸建てなら自分の家だけ考えていれば良いのですが、マンションとなるとそうもいきません。
部屋にたどり着く前に、エントランスやエレベーターなどの共有部分で印象が悪くなってしまっては困ります。
- エントランスの照明は切れていないか
- 掃除が行き届いているか
このようなことをチェックして、もしダメだと思う部分があれば早めに管理会社に申し入れて対応してもらってください。
13.質問には真摯に答えよう
そして最後の大事なポイントです。
内覧者は部屋の中を色々と見た後に、質問をしてくることがあります。その質問には、真摯に、丁寧に答えるようにしましょう。
もしも家のデメリットがあったとしても隠さずに答えます。
デメリットを伝える時には、「でもこうすれば大丈夫です」と対応策なども合わせて伝えるようにすれば良いのです。
- 住んでみてよかった点
- 買い物は便利か
- 近くの公園はどこか
- 通学路で危険なところはないか
- 学校の評判はどうか
- 近所の病院情報
など、聞かれた時に備えて情報を整理しておくと良いでしょう。
売り込まれていると思われるとそれは印象が悪くなってしまいますので、聞かれた時に最大限アピールできるように準備をしておいてください。
ここに気をつけて!やってはいけない注意点
好印象を与えるポイントについて整理できたところで、やってはいけないことについてもお話しします。
うっかりやってしまわないように気をつけてください。
こちらの都合だけを優先する
内覧の希望がいつくるかはわかりません。
売ると決めたなら、できるだけ予定を入れず、内覧者の希望に添えるようにしてください。
せっかく来てくれるという日を「その日はちょっと」と断ってしまうと、他を見に行かれてそこで決まってしまうかもしれません。
日にちだけでなく、時間帯もできるだけ内覧者の希望通りにできるのが理想です。
見せない部分を作ってしまう
家の中で見られたくない部分というのはどうしてもあると思いますが、内覧の時には内覧者が見たいというところは全て見せましょう。
押入れや納戸の中も見たいと言われるかもしれませんが、全て見せることをおすすめします。
収納を見たいのは、どのくらい物が収納できるのかを知りたいからです。中身が見たいのではありません。
プラスになることはあってもマイナスになることはありません。
適当に即答してしまう
内覧の時に、価格の交渉以外にも「この照明は置いていっていただけますか」「エアコンはそのまま使えますか」など何かと交渉してくる人もいます。
その時に、売りたいがために適当に「いいですよ」などと答えないようにしてください。うっかり答えてしまったら後から取り消すことができません。
そこでおすすめしたいのが、売主側は家族全員ではなくて一人で対応することです。
自分が損をするようなことについて、その場で即答しないように気をつけましょう。
アピールしすぎ
早く売りたいという気持ちから、この家がどんなに素晴らしいかということをアピールしすぎてしまう人がいます。
内覧者の後についてあれこれ話ばかりしていると、とても売り込み感が強くなってしまい逆効果です。
内覧者にはできるだけ自由に、好きなように家の中を見てもらいましょう。
その上で質問があればお答えするというスタンスが一番です。
同じような家を何軒か見た時にどこに決めるか、やはり印象のよかった「人」から買いたいと思うのではないでしょうか。
内覧者の気持ちも考えて、アピールをしすぎないように気をつけてください。
クロスや床を先に張り替えてしまう
生活感が出ていることが気になって、床などを先に張り替えてしまう人がいますが、それは逆効果になる場合が多いです。
その費用は価格に上乗せしてしまったら売れにくくなりますから、自分が損をしてしまうことに。
経年劣化による傷みは仕方のないことなので、そこはあえてそのままにして、買主に好きなようにリフォームしてもらった方が良いでしょう。
物件の内覧は第一印象が大事!売れるかどうかの分かれ目
中古物件なのですから、内覧者とて新築並みのきれいさを求めているわけではありません。
それよりも清潔感だったり、明るさだったり、暮らしやすいかどうかがわかればいいのです。
そのために大事なのがやはり第一印象です。ドアを開けた時に広くて明るいなと感じてもらえるように、掃除を徹底して広く見せる工夫をしてみてください。