不動産売却の流れ 2020/01/16
不動産査定書には2種類ある!目的に合わせた書類を入手し有効活用を
不動産査定書には、不動産会社が作るものと不動産鑑定士が作るものとの2種類があり、利用目的が違います。
そこで、それぞれの目的や、不動産鑑定書を不動産売買に利用したい際に有効活用する方法について詳しく見ていきましょう。
不動産査定書には2種類ある!目的に合わせて取得しよう
不動産査定書には、2種類あります。
不動産売却の過程で必要な不動産査定書
1つ目が、不動産売買の過程で必要な不動産査定書です。
- 不動産売買の過程で必要な不動産査定書とは
-
- 不動産会社で入手可能
- 取得の目的は売買を成立させること
- 公的な証明としては使えない
- 適切な価格で不動産売買ができるよう値段づけをした結果がわかる書類
- 依頼された不動産会社が独自の基準で値段づけをする
- 基準が違うので依頼先によって価格が異なる
- 売却が前提の不動産査定なので無料
売買が成立するように不動産会社が不動産に適正な価格をつけるのが、不動産売買の過程で行われる不動産査定です。
不動産会社は売買が成立しなければ報酬が受け取れない決まりなので、売買が前提の査定は無料です。
不動産の資産価値を知ることが目的の不動産査定書
2つ目が、不動産の資産価値を知ることを目的とした不動産査定書です。
- 不動産の資産価値を知ることを目的とした不動産査定書とは
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- 不動産鑑定士に作成を依頼
- 取得の目的は資産価値を正確に知ること
- 不動産鑑定士が行う不動産鑑定の簡易版であることを表す書類
- 不動産鑑定の費用を抑えたい時に効果的
- 国の基準には従っていないがかなり精密に資産価値を判断することが可能
- 不動産の売却が目的ではないので有料
資産価値を知るために取得する不動産査定書は、不動産鑑定士に作成してもらいます。
- 不動産鑑定士とは
- 国家資格を持っている。不動産が持つ経済的な価値を国の基準に従って判定し、価格として表すことが仕事。
不動産鑑定士は国の基準に従って不動産の資産価値を判定し、公的機関への証明にもなる不動産鑑定書を発行します。不動産鑑定の費用は、かなり高額です。
不動産鑑定書の費用の相場 (評価額によって価格が異なる) |
不動産査定書の費用の相場 (評価額で価格が変わることはない) |
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更地:20万円~60万円程度 戸建:25万円~75万円程度 マンション:30万円~95万円程度 |
更地:10万円~15万円程度 戸建:10万円~20万円程度 マンション:15万円~20万円程度 |
費用は依頼先の事務所によって異なるため、これらは目安です。
目的に合う査定書を入手しよう
不動産査定書には2種類あるので、目的に合わせて入手する必要があります。
目的 | 必要な書類 |
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不動産の売買 | 不動産会社の不動産査定書 |
不動産の資産価値を知ること | 不動産鑑定士が作成した不動産査定書 |
不動産鑑定士に不動産査定書の作成をしてもらいたい時は、不動産鑑定事務所を探して依頼しましょう。
売却を目的とした査定書を手に入れるなら不動産会社へ依頼を
売買を目的とする場合の、不動産査定書の入手方法を見てみましょう。
不動産会社に査定を申し込むと入手可能!複数の会社で査定を受けよう
売買を目的とする不動産査定書は、不動産会社に査定の申し込みをすることで入手可能です。
査定書は、メールで届くこともあります。
査定は、複数の不動産会社で受けましょう。
- 複数の不動産会社で査定を受けるべき理由
-
- 不動産会社によって査定の基準が違うから
- 不動産会社によって得意とする不動産の種類が違うから
- その地域に強い不動産会社があるから
- 優良業者を見逃しにくいから
- 高値をつけてくれる不動産会社を選べるから
複数の不動産査定書をもらうと、不動産を高く売るためのより良い不動産会社選びに役立ちます。
不自然に値段が高すぎる不動産会社は契約を取りたいだけの可能性もあるので、査定の根拠を確認しましょう。
一括査定サービスの上手な活用法
不動産査定書を複数入手するには、一括査定サービスを利用すると便利です。
- 一括査定サイトを上手に選ぶためのチェックポイント
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- 大手不動産会社の査定も受けられるか
- 地域密着型・中堅規模の不動産会社も登録しているか
- 不動産会社の登録数は多いか
- 売却したい不動産がある地域に対応しているか
- サポート体制が整っているか
- 一括査定サイトの運営会社は信頼できる会社か
査定には机上査定と訪問査定の2種類がある!
不動産会社で受ける査定には、2種類あります。
机上査定 | 訪問査定 |
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不動産を見るのではなく情報を元に査定 簡易査定なので精度は低い |
直接不動産を見て現地で行う査定 机上査定より精度が高い |
一括査定で机上査定をしてもらって、その中から売却を依頼したい不動産会社に訪問査定をしてもらうと便利です。
机上査定で把握しておくべき情報
机上査定を受ける時には、次の情報が必要です。
- 住所
- 土地や建物の面積
- 床面積
- 築年数
正確に査定してもらうために、正確に入力しましょう。
訪問査定で不動産査定書を作ってもらうために必要なもの
訪問査定をしてもらう時に必要なものは、何でしょうか。
- 地図
- 建物の面積・間取りがわかる書類
- 登記簿謄本
- リフォームの有無を確認できる書類
不動産査定書からわかることは?書かれている内容や見方を確認しよう
売却目的で作ってもらった不動産査定書の内容について確認しましょう。
建物について不動産査定書に書かれている項目
不動産査定書の書式は自由なので不動産会社によって違いはありますが、次のような項目があるのが一般的です。
建物について見てみましょう。
- 不動産に関する情報(建物の場合)
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- 建物名
- 所在地・最寄駅
- 専有面積
- 取引事例年月や取引単価
- 取引価格
- 間取り・方位
- 構造
- 建築年数
- 所有階や総戸数(マンションやアパートの場合)
不動産に関して、詳しくわかります。
- 査定項目とその結果(建物の場合)
-
- 最寄り駅までの距離や生活の利便性
- 築年数や建物のグレード
- 階数・位置・方位・向き
- 日当たり・景観・眺望
- 間取り
- 室内の状況
- 騒音・振動
- 駐車施設について
- 敷地利用権の種類
- 管理人の勤務形態
- 流動性比率とは
- その時点で市場に出回っている競合などと比較し、売却したい不動産の売れやすさを数値化したもの。基準は100%で、85%から110%までの範囲で決定される。
競合する不動産がなく売れやすい場合は110%まで上がり、競合する建物が多く売れにくければ85%まで下げるという決め方になります。
査定価格を流動性比率で補正したものが、最終的な査定価格です。
土地について不動産査定書に書かれている項目
土地の場合、どのような内容になっているのでしょうか。
- 不動産に関する情報(土地の場合)
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- 所在地・地名(固有の名称があれば)
- 面積
- 建ぺい率・容積率
- 交通
- 都市計画
- 用途地域
- 査定項目とその結果(土地の場合)
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- 最寄り駅までの距離・生活の利便性・周辺環境
- 形状・間口・前面の道路の状況
- 排水施設
- 隣地の状況
- 騒音・振動
- 日当たり・風通し・眺望
- 街路の状況
査定価格は、建物と同じ流れで決定されます。
不動産査定書を元にした信頼できる不動産会社の見分け方
不動産査定書を元に、信頼できる不動産会社かどうかを見分けることも可能です。
チェックしたいポイント | 信頼できる会社の特徴 |
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査定価格 | 概算値で書かずピンポイントに表示 |
コメント | 不動産の特性に合わせたコメントや総評がある どの不動産でも通じるコメントではない |
担当者・担当した会社の名称 | 明記されている アピールをしっかりしている |
不動産査定書の見やすさ | 読みやすく丁寧 見やすい会社は広告作成スキルも高い |
中身の充実度 | 必要最低限の項目の記載がある ※ページ数より項目をチェックして確認する |
流動性比率 | 100%以外の場合に説明がある |
査定価格として出したい価格に合わせて流動性比率を変える悪徳な不動産会社もあるので、100%以外の時に説明がない場合は気をつけましょう。
売買目的なら不動産会社で不動産査定書を入手して活用しよう
売買目的で不動産査定書を利用する場合、複数の会社の査定を取る・査定書から信頼できる不動産会社を見極めるなど、査定書を活用することでより高く不動産を売却するために役立てることも可能です。
ぜひ、有効活用しましょう。