空き家の売却 2019/11/15
空き家でも火災保険に入れる?保険料や加入条件などを詳しく解説
空き家を放置しておくと、自然災害や放火をされるなど、火災の心配があります。
しかし、転勤で家を空けないといけなくなった時、両親から家を相続したけれどしばらく住む予定がない時など、管理をしにいけない場合には空き家を放置するしかなくなってしまいますよね。
そんな時に検討したいのが火災保険です。
ただ、火災保険は加入できる条件がありますので、空き家の場合加入できない可能性もあります。ではどのような空き家なら加入できるのか、そもそも空き家でも火災保険に入る必要があるのかなど、空き家と火災保険の関係について解説します。
空き家でも火災保険に入る必要があるか
空き家で誰も住んでいないのだから、保険なんて入る必要はないのでは?と思っている人が多いのですが、そんなことはありません。
空き家だからこそのリスクがこれだけあるのです。
自然災害のリスク
日本は地震や台風などの自然災害が多い国ですよね。空き家というのは適切な管理をしておかないと、人が住んでいる家よりも傷みが早くなります。
倒壊してしまった方がかえって壊す手間が省けていいなどと思ったら大間違い!
きちんと建っている建物を壊すより、がれきを撤去する方がずっと手間も費用もかかるのです。
その費用を負担するとなると大変です。ですから保険に入っておいた方が良いのです。
放火のリスク
日本の火災の原因第1位は放火です。特に空き家は放火のリスクが非常に高いのです。
放火犯も、さすがに人の住んでいる家に火を放つのは躊躇しますが、空き家なら平気でやってしまいます。
適切な管理がされていない空き家なら、火をつけても平気だと思う人間が実際にいるのです。
その家が燃えるだけならまだしも、周囲のお宅に被害が及んだら大変なことになりますよね。
冬場は空気が乾燥していますから、最初は小さくてもあっという間に火が燃え広がり、思わぬ大きな被害になる可能性があります。
風向き次第では被害が広範囲になる恐れもありますね。
空き家を放置しておくとチラシがポストにたまっていたり、ゴミが違法に投棄されていたりして、放火犯の格好の餌食になってしまいます。
盗難のリスク
家の中に全く何もない、ということはないでしょう。
何らかの家財道具が置いてあると思いますし、建材だって立派な財産。
空き家はそれらの財産の盗難のリスクも高いのです。
火災保険というと火事の保証だけだと思われていますが、盗難保険がついていることもあります。
何か盗まれてしまった場合に備えておくことも大切です。
火事を起こせば補償しなければならない
火事を起こして家が燃えてなくなるくらいなら、安くはありませんが撤去費用を負担すれば済むことです。
しかし問題は、火事によって周囲のお宅に迷惑をかける可能性が高いということです。
ほんの少しでも延焼すればその被害について補償しなくてはなりません。
そうならないようにしたいものですが、万が一そのような事態になった時のことも考えて、火災保険には入っておいた方が良いのです。
燃えてしまえば取り壊す手間がないというのは間違い
家が燃えたり、地震で倒壊したら、取り壊す手間がないからいいのでは?と思う人がいますが、それは間違いです。
倒壊した家は、「瓦礫」です。重機で取り出そうとしても積み重なった瓦礫がさらに崩れる可能性があり、慎重に作業をしなくてはなりません。
倒壊具合によっては重機が使えず、人が一つ一つてで運び出さなくてはいけない場合も出てきます。
空き家でも火災保険に加入する方法
では、空き家ではどのような火災保険に入ることができるのか、火災保険の仕組みについてお話しします。
空き家は火災保険に加入できない?
空家だと火災保険に入れないケースもある、ということをまず知っておきましょう。
転勤などで空き家にせざるを得なくなった場合のように、まだ人が住める状態の空き家であれば加入できる可能性はあります。
しかし、誰も住まなくなってからかなりの期間が経過しており、廃屋に近いような空き家の場合は、加入できない可能性が高いです。
本来であれば引き継いだ時に、所有者が変更になった旨を保険会社に通知して、空き家だと認定されればそれ以上保険に入れない、というケースもあります。
しかし大抵の人はなんの通知もしていないため、保険会社は空き家になったことを知らずに保険料を受け取っているだけなのです。
空き家の状態によって加入条件が違う
空き家の状態を判定する条件は2つあります。
- 住宅物件
- 一般物件
どちらに分類されるかによって、加入できるかどうか、保険料の違いなどが出てきます。
まず住宅物件ですが、常時誰かが住んでいるわけではないけれど、
- 転勤で一時的に空き家になっているだけ
- 空き家だけれど時たま管理のために誰かが寝泊まりしている
など、今後使用する可能性や家として管理されている状態があると判断されれば、「住宅物件」として加入することができます。
しかし火災保険においては、空き家は住宅とはみなされず店舗などと同じ「一般物件」に分類されます。
一般物件とされれば、補償の内容は大して変わらないものの、保険料が高くなるケースがあります。
まとめると、
- 今は空き家だけれど人が住んでいる物件と認められるか
- 事務所や店舗のような居住用ではない物件と判断されるか
これによって加入する火災保険の種類が変わってくるということです。
また、管理状態が悪く、保険をかける価値なしと判断されれば、加入すらできない場合があります。
補償の内容にはあまり差がない
空き家の状態によって加入できる火災保険の種類は変わってきますが、これは保険料の違いであって、補償内容についてはあまり差がないケースが多いです。
- 自然災害だけを補償する保険
- 日常的な事故についてもカバーする保険
などどこまでカバーするのかによっても保険料は違ってきます。
空き家の保険料を安くする方法
事故が起きたら困るので保険が必要だということはわかったけれど、住んでもいない家に多額の火災保険はかけたくないですよね。
保険料を抑える工夫としては、一般物件ではなく住宅物件と判断してもらうことが大切なのです。
住宅物件としてもらうには、
- 今は住んでいないけれど今後住む可能性がある
- きちんと管理されている
- 別荘として時折使用している
- 家財道具が置かれている
などの条件が必要です。
この条件は保険会社によって違いますので、どのような条件であれば住宅物件として判断されるかを確認してみてください。
また、住宅物件として認定された後は、
- 補償内容を最低限にする
- 家財への補償をなくす
- 保険料を複数年の契約にして払ってしまう
などのやり方で保険料を抑えることができます。
例えば、通常の住宅は2000万円の価値があれば2000万円を補償する保険に入ります。しかし空き家なら、そんなに補償はいりませんよね。
何か被害があった時に、それをカバーするだけの補償があればいいので、補償金額を30%くらいに抑えるようにすると保険料も抑えることができるのです。
空き家で火災保険に入るときに注意したいこと
火災保険に無事に入れたとして、何でもかんでも補償してもらえるかというとそうではありません。
どこまでの範囲をカバーできるのかをよく理解しておくことが大切です。
火災保険で地震による倒壊はカバーできない
火災保険は、基本的に家事による倒壊などを補償する保険です。
そうなると、地震の被害は火災保険だけでなく地震保険にも入らないとダメなのです。
しかし地震保険は通常の住宅物件しか入れないことが多く、空き家については加入できない場合がほとんどです。
もし入るとするならば、住宅物件して判断してもらえるような条件を備えることが必要でしょう。
一般物件では加入できないので、地震による倒壊が心配な方は、適切な管理をして住宅物件としてみなしてもらうようにすることをおすすめします。
賠償責任補償も検討しよう
火災保険はあくまでもその物件に対しての保険になりますから、周囲への被害についての補償を考えるのであれば、賠償責任補償の加入も考えてみてください。
例えば、家が倒壊するほどの被害は受けていなくても、台風で屋根瓦が飛んで隣家の人に怪我をさせた、んどという場合には賠償責任保険でカバーできます。
家の状態によっては、火災保険に賠償責任保険をプラスしておくと安心です。
空き家でも火災保険には入るべき。リスクを最小限に
空き家が火災にあったら、撤去費用が大変になります。まして、周囲のお宅に被害が広がってしまった時の補償を考えると頭が痛くなりますね。
空き家であっても火災保険には入っておくべきでしょう。維持費がかさみますが、被害が出てからでは遅いです。
しかも日本の火災の原因第1位が放火なのですから、放火されやすい空き家に保険をかけるのは所有者の責任だといえます。
リスクを最小限にするためにも空き家は適切な管理をし、火災保険にも加入しておきましょう。