マンション売却 2020/01/28
マンション査定の上手な受け方とは?依頼する前に知っておきたいこと

マンションの売却を考えている場合、査定を受けて相場を知ることが重要です。
査定価格は売り出し価格に大きく影響を与えるので、上手に査定を受けて高く査定をしてもらいたいところです。
そこで、マンションの査定を依頼する前に知ってきたいことを、まとめて確認しましょう。
マンションの査定価格とは?売り出し価格を決定するための判断材料
マンションの査定価格とは何か、詳しく見ていきましょう。
目的別の査定の方法
マンションの査定には、目的に合わせて方法がいくつかあります。
方法 | 目的 |
---|---|
不動産会社に依頼して行う査定 | 売却を目的とする場合に依頼 |
一括査定サイトを利用して行う査定 | 不動産会社が査定を行ってくれる 一度に複数の不動産に依頼できるので便利 |
シミュレーターやAI査定の利用 | 取引事例を元に大まかな価格を出す方法 だいたいの不動産の価値を知りたい場合に役立つ |
不動産鑑定士に依頼して行う査定 | 不動産の資産価値を正確に出したい場合に依頼 遺産相続や離婚による財産分与などの場面で有効 |
- シミュレーターと不動産会社の査定の違い
- シミュレーターは、住所や個人情報を入れることなく沿線や築年数などを元にざっくりと価格を出す方法。不動産会社の査定では、住所などの情報も含めて査定を行う。
売却が目的の場合、不動産会社に依頼して査定を受けましょう。
売却目的で出すマンションの価格には3種類ある!
マンションに関連する価格は、3種類あります。
価格の種類 | 内容 |
---|---|
査定価格 | 不動産会社がデータや調査を元に割り出す価格 3か月以内に売却できるよう考えられた価格 |
売り出し価格 | 査定価格を元に決めた売りに出す時の価格 希望や事情なども考慮する |
成約価格 | 売り手と買い手が合意して実際に売却した価格 売り出し価格と同じにはならないことも |
査定価格の算出方法
査定価格は、どのような計算で出されているのでしょうか。
方法 | やり方 |
---|---|
取引事例比較法 | 売却したいマンションと似たマンションの取引事例を元に価格を算出 |
原価法 | マンションをもう一度建て直すとしたらいくら必要か(再調達価格)を元に価格を算出 |
収益還元法 | マンションを賃貸に出した時に得られる年間の収益を元に価格を算出 |
これらの方法を用いて、不動産会社がマンションの価格を算出します。
マンションの査定価格を左右する状況とは
マンションの査定価格は、様々な要因によって左右されます。
- 査定価格が安くなる可能性がある状況
-
- 競合するマンションが安く売りに出されている時
- 同じようなマンションが多く売り出されている時
- 景気が悪い時
- 商業施設が撤退した時
- 周辺で事件や事故が起こった時
- 査定価格が高くなる可能性がある状況
-
- 競合するマンションが高く売りに出されている時
- 競合するマンションがほとんどない時
- 景気がいい時
- 近くに大きな商業施設ができた時
- 道路が延びたり新しい駅ができたりした時
マンションの査定価格は、周辺の状況にも左右されます。
時点修正といって、周辺で売れたマンションに影響を受けるのは、マンションに特有の査定法です。
- 時点修正とは
- 実際の売り出し価格を元に、査定価格を決める。たとえば、1年前に同じマンションの部屋が売れた場合、その値段から1年分の価値を引いて妥当と思われる値段を出す方法。
査定価格は不動産会社によっても違う!
査定価格は、不動産会社によって違います。
- 不動産会社によって査定価格が違う理由
-
- 不動産会社によって得意とする不動産の種類が違うから
- その不動産会社が得意とする地域だと高めの査定額が出せるから
- 不動産会社によって強みとなる部分が違うから
土地売却が得意な不動産会社にマンション売却を依頼しても、不得意な分野なので高い査定額は出ません。
マンションの査定はどうやるの?方法や流れを確認
マンションの査定はどのように行われるのか、見ていきましょう。
不動産会社に依頼する場合の2種類の査定方法
不動産会社に依頼して受ける査定の方法には、2種類あります。
査定方法 | 机上査定 | 訪問査定 |
---|---|---|
特徴 | データなどを参考に不動産を見ずに行う簡易な査定 | 不動産を実際に見ながら行う査定 |
メリット | すぐに結果がわかる 手軽に査定が受けられる |
現状も見て査定するので売却額と差が出にくい 不動産会社の対応を見ることもできる |
デメリット | データのみで判断するので売却額と差が出やすい | 時間や手間がかかる 書類を準備しなければいけない |
マンションを売却するには訪問査定が欠かせませんが、手間と時間がかかるので、机上査定を受けて依頼したい不動産会社を絞ってから訪問査定を受けると便利です。
売却を前提として依頼する場合査定は無料!
不動産会社は、仲介が成立した時点で手数料を受け取る決まりになっています。
そのため、売却を前提として依頼する場合、査定は無料です。
机上査定の流れを見てみよう
机上査定の場合は、一括査定サービスのサイトで必要なデータを入力すると結果がわかります。
入力を求められるのは、次のような情報です。
- 住所
- 占有面積
- 向き
- 間取り
- 築年数
訪問査定の流れを確認しよう
訪問査定の流れも見てみましょう。
- 査定を申し込む
- 訪問日時を決めて訪問してもらう
- 必要な書類を提出する
- 査定結果の報告を受ける
訪問査定で担当者が確認していることとは
訪問査定では、担当者はどのようなことを確認しているのでしょうか。
- マンションの概要や規模
- 階数や位置・方角
- 日当たりや風通し
- 立地条件・周辺環境・交通状況
- 経年劣化や施設・設備の状況
- 間取りや収納スペース
- 築年数や構造
- マンションの管理状況
- 耐震性
- 施工会社や販売会社
- 管理費や修繕積立金の負担の程度
- 共有施設は充実しているか
- 権利や法令上の問題が無いか
実際に目で見て、詳細を確認しています。
訪問査定で必要となる書類
訪問査定では、どのような書類が必要なのでしょうか。
- 間取り図・測量図:登記所で入手
- 登記事項証明書:市区町村役場で入手
- 固定資産税納税通知書:市区町村役場で入手
- 物件概要書:不動産会社で入手
- 利用規約:管理者が発行
- メンテナンス証明書:メンテナンス会社が発行
詳細は、査定を受ける不動産会社の指示を確認しましょう。
上手にマンションの査定を受けるためのコツまとめ
上手にマンションの査定を受けると、高く査定してもらえることがあります。
机上査定で高く査定してくれる不動産会社を探そう
高く査定してくれる不動産会社は高くマンションを売ってくれる可能性が高いので、不動産会社選びが大切です。
まずは机上査定を受け、訪問査定をしてもらいた業者を選びます。
- 上手な机上査定の受け方
-
- 複数の不動産会社で査定を受けて高めの査定額を出してくれる会社を探す
- 一括査定サービスを利用する
- 高い値段をつけてくれた業者を中心に訪問査定を依頼する会社を絞る
- 査定額が他社と比べて高すぎる場合は査定の根拠を聞く
一括査定サービスを利用する際のポイントを見てみましょう。
- 大手から小規模まで幅広いタイプの不動産会社の査定が可能なサイトを探す
- 不動産がある地域に対応しているか確認する
- 登録している不動産会社の数が多いサイトがお勧め
- サポート体制や運営会社の信頼性もチェックする
訪問査定の際は不動産会社の対応も確かめて
訪問査定では、どのようなことに気をつければいいのでしょうか。
- 上手な訪問査定の受け方
-
- 査定価格に差が出るので2~3社を目安に複数の不動産会社で査定を受ける
- 査定に手間がかかるので訪問査定は多く受けすぎない
- 不具合は修繕しておく
- 査定の根拠を確認する
- 売り主にとって不利な情報も隠さない
- 査定の根拠を確認する
- 不動産会社の対応もよく見る
売却を予定してからリフォームまでする必要はありませんが、壊れた部分は修繕しておくと値段が下がりにくくなります。
売り主には瑕疵担保責任があり、不利な情報を隠して売却するとトラブルにつながります。
- 瑕疵担保責任
- 売却したマンションに問題があった場合に、売り手が責任を負うこと。損害賠償を求められることもある。
マンションを高く売却するには不動産会社選びも重要なので、査定の際の対応もよく見ておきましょう。
- 査定の際に確認したいポイント
-
- 根拠を持って査定している
- 販売戦略が明確でサポート体制が整っている
- 売却したいマンションの強みをわかってくれる
- 話をきちんと聞いてくれる
- 豊富な知識を持っている
- デメリットもメリットも両方伝えてくれる
- マンションの売却実績が多い
査定前に自分で相場を調べることも重要!
マンションの売却額の下限を把握するために、査定を受ける前に自分でも相場を調べる必要があります。
- ネットなどで近くのマンションの販売価格を見る
- シミュレーターやAI査定を利用する
査定を受ける前に、大まかな価格は把握しておきましょう。
アピールできるポイントをまとめておくと高い査定がつくことも
アピールできるポイントをまとめて伝え、不動産会社の担当者に高く売れそうだと思ってもらうことも高く査定してもらうためのポイントです。
マンションでアピールできることとは、なんでしょうか。
アピールしたい内容 | 具体例 |
---|---|
周辺の環境や立地 | 景観の良さ・利便性の高さ 夜でも明るいことなど |
耐震対策 | 新耐震基準であること |
部屋の向きと階数 | 角部屋・階数が高い・日当たりの良さ ベランダの広さや南向きであること・風通しの良さなど |
室内の状況 | 水回りの綺麗さ・収納の多さ 玄関の使いやすさや綺麗さ リフォームしてあればメリットに |
共用部分の状況 | 清潔さ・メンテナンスの良さ |
駐車スペース | 駐車可能 |
戸建とは違って建て替えが難しいので、室内をリフォームしてあることは大きなアピールポイントとなります。
管理組合を通して行うマンション全体のリフォームの場合、修繕積立金から費用が払われるので、大規模リフォームの後は追加で修繕積立金の徴収があることもあります。それも査定に影響します。
マンション査定は複数の会社に依頼して!アピールポイントを伝えよう
マンションの査定は複数の不動産会社に依頼して、根拠を持って高めな査定価格をつけてくれる会社を中心に依頼する先を決めましょう。
査定の時にはマンションの特徴を理解してアピールできることをしっかりと伝えると、高めな査定額が出ることがあります。
査定の流れを確認して、スムーズに受けられるよう準備もしておきましょう。




