マンション売却 2019/11/15
マンションを貸したい!売るのとどちらが得か、メリットを検討
購入したマンションを転勤などによって一時的に離れなければならなくなった時、人に貸して収益を得ようと考える人も多いでしょう。
しかし、人に貸すというのは意外と手間がかかるもので、思っているような収益が得られないこともあります。そこで、マンションは貸すべきか売るべきか、どちらが得なのかをメリットとデメリットから考えていきたいと思います。
マンションを貸したい!と賃貸にすることを検討している人は、もしかしたら売却した方が得かもしれません。
マンションを貸し出して得られる収益とは
マンションを売るべきか貸すべきか。どちらが得をするのでしょうか。
マンションを売れば一時的に大きな収入が入りますが、貸し出しをすると毎月収入が入ってくるような形になります。それが一番の大きな違いです。
賃貸マンションよりも高い賃料を設定できる
賃貸用のマンションと、分譲用のマンションではそもそも作りからして違うことをご存知でしょうか。
賃貸は短ければ1〜2年、長くても数年くらいで引っ越すことを前提として作られています。一生の住処として選ぶ人はあまりいないので、当然といえば当然です。
また、分譲マンションは設備が充実しています。
- オートロック
- 監視カメラ
- 宅配ボックス
- ディスポーザー
など、快適に住むことができるように工夫されていますし、エントランスやエレベーターなどの共有部分もゴージャスなところが多いですね。
最近では大勢で食事ができるようなパーティールームが設置されていたり、ジムまで併設されているところもあります。
賃貸マンションとは違った設備、魅力があるので、賃貸マンションよりも高い家賃を設定して貸し出すことができるのです。
ローンが残っていないことが前提
ただし、分譲マンションを貸し出す場合、ローンが残っていないことを前提として考えましょう。
また、借りられたとしてももし借り手が見つからない時に二重のローンに苦しむ可能性があります。
貸した時の相場はしっかりと調べておくこと
いくら賃貸よりは高く貸せるとはいっても、やはり相場というものがあります。
自分のローンの返済額よりも高く設定して利益を得たいところですが、高すぎると借り手が見つかりません。
相場とそれほど違わない額にしておくことが大切です。
マンションを貸したい人が知っておくべきメリットとデメリット
マンションを貸し出せば収益が得られるということはわかりましたが、他にどのようなメリットがあるのかも見ておきましょう。
また、貸し出すことのデメリットも知った上で、貸すか、売るかを検討したほうがいいですね。
資産運用をしながら税金対策もできる
一番のメリットは、節税になることでしょう。自分が住んでいるわけではなく、資産運用として貸し出しているので、賃料は不動産所得になります。
ですから、その物件に払っている固定資産税などは必要経費として計上できるのです。他にも、
- マンションの管理費
- 修繕積立金
- 火災保険
- 地震保険
なども経費に入れることができます。
所得からそれらを控除できますので、賃料という収入を得ながら税金対策もできるのです。
借り手が見つかるとは限らない
大きなデメリットとしては、借り手が必ず見つかる保証がない、ということでしょう。
賃貸マンションよりも高い賃料を設定することが多いですから、それだけの賃料を払える人しか入居しないわけですから、通常の賃貸用マンションよりも借り手が少ない可能性があります。
確実に借り手を見つけようと不動産会社を利用すれば仲介手数料がかかりますので、悩ましいところです。
初期費用がそれなりにかかる
人に貸し出す場合には、それなりに室内をきれいにしてからでないといけません。そうしないと借り手が見つからないからです。
ハウスクリーニングはもちろんのこと、場合によっては壁紙の張り替えなどのプチリフォームが必要になる場合もあります。
しかし内覧の前に部屋をきれいにしておかないと借り手がつきません。
借り手がいないまま数ヶ月が経ってしまうよりも、先に少し投資をして部屋をきれいにしておいた方が早く借り手が見つかる可能性が高いです。
借り手とのトラブルが心配
そして、貸した後のトラブルも少し心配です。入居者からクレームがつくなど、貸し手として対応しなくてはいけないことが出てきます。例えば、
- 騒音問題
- 排水つまり
- 隣人トラブル
- 家賃の未納
などの心配です。
かといって、全て自分で対応するのはなかなか大変です。
貸す場合にはトラブル対応をどうするか、ということをよく考えてよいた方が良いでしょう。
賃貸は簡単にやめられない
せっかく借り手が見つかっても、今度は自分たちがすみたいときに住めないというリスクがあります。
というのも、日本では借り手の方が立場が強いですから、一度貸し出したものは、貸し手の都合で取り戻すことができないのです。
例えば2年経って契約更新が来たからといって、そのタイミングで出て行ってもらおうと思ってもダメです。
つまり、借り手がいる限り、自分たちが住みたいと思っても出て行ってもらうことはできません。
一度貸し出したら簡単にはやめることができないので、それを理解した上で賃貸を始めないと後で後悔することが多いです。
考え方によっては、出て行ってくれないということはその間収益がずっとあるということですから、得をしているという見方もできますね。
それなら、自分たちはその賃料で違う賃貸マンションに住んで、家賃ゼロ状態で暮らしていくということもできるわけです。
マンションを貸すのと売るのはどちらが得か
確かにマンションを貸し出せば収益が得られます。しかしそれに伴う労力も相当なものだと思ったほうが良いでしょう。
必ずしも貸すことがいいとは限りません。面倒なことが苦手な人は、売ってしまうことをおすすめします。
不動産屋のいいなりにならないこと
不動産屋に、賃貸と売却どちらが得かというと、答えは不動産屋によって違ってきます。
それは、不動産屋にも得意と不得意があるからです。
売却に強い不動産屋は、今なら高く売れますよというかもしれませんが、賃貸が得意な不動産屋は貸して継続的に収益を得ていった方が特になりますよ、というでしょう。
ただ、放置していてもいいことはないので、貸すか売るかを決めなくてはなりませんが、ここはいろいろな事例を見て自分で考えて決めることが大事です。
不動産屋のいいなりにはならないことです。
その部屋を最終的にどうしたいのかをよく考えましょう。
維持費が高い場合は売却を検討
不動産を維持していくには、固定資産税などがかかります。マンションの場合には管理費や修繕積立費などもかかるので、それなりに維持費がかかります。
固定資産税は借り手ではなく所有者が払いますから、賃料を得ていてもその中から税金を払わないといけないのです。
そうなると維持費もバカにならず、賃料によっては大した収益が出ない可能性もあります。
それならばいっそのこと売却してしまった方が良いでしょう。維持費と収益をよく比べてみてください。
今後そのマンションに住む予定があるか
数年先ではなくても、いつかマンションに住みたいと思っているなら、それまでの間貸し出すという選択肢はありだと思います。
しかし住む予定がないのなら、売ってしまった方が維持費がかかりません。
定期借家契約
期間を決めて貸し出したい場合には、「定期借家契約」という形で、期限を決めて貸し出すことも可能です。
例えば5年、10年と期間を決めて貸し出すのです。
この契約では、期限が来たら更新はできず、賃貸契約は解除となりますから、その後に自分たちが住むことができます。
ただし、期限付きということで借り手が少なくなってしまうというデメリットがあります。
期限付きで貸し出す場合には、そのリスクを理解しておくことが大切です。
将来的に売却するなら今売る!
いずれ売ろうと思っているならば、早く売った方がいい理由がもう一つあります。
それは、マンションの築年数だけでなく、貸し出したことによる「収益物件」になってしまうため、査定額が下がるからです。
収益物件とはその名の通り、収益を得る目的の物件であって自分が住むために購入する物件とは違います。
いわば資産運用の為の物件ですので、重視されるのは毎月の利回りなどその物件の収益性です。
収益は5年後、10年後、どうなっているかわかりません。不動産投資の専門家でもわからないことを素人がわかるはずもないでしょう。
それならば貸し出さずに、高く売れるうちにさっさと売ってしまった方が良いです。
将来その部屋をどうしたいのかを先に考えよう
貸すか売るか、どちらが良いかは、将来その部屋をどうしたいのか、という点から考えてみましょう。
いずれは住みたいと思っているなら、今は貸し出してキープしておくということもありです。
借り手が見つかる保証はないですが、手放してくないのであれば、気長に待つこともできるでしょう。
しかし、いずれ売ろうと思っているなら、キープしておく必要がありません。賃貸する手間などを考えても、売ってしまった方が良いでしょう。