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土地売却 2019/11/15

失敗しない土地測量。費用や作業の流れを知ってスムーズに売却!

土地を売却する時に測量をする必要が出てくる場合があります。土地の測量は素人ができるものではないので、専門家に依頼することになります。

その費用はどのくらいかかるのか、どうやって依頼するのかなど作業の流れを把握しておきたいものですね。

土地の測量は必須ではありませんが、やっておくと売却がスムーズに進みます。売却した後のトラブルを防ぐためにも、やや費用がかかりますが、測量しておくことをおすすめします。

土地の測量を売却前に行う必要性

そもそもなぜ土地の測量を行わなければいけないのでしょうか。それは、土地の境界が定まっていないと面積が決められず、面積がわからないと価格もわからないからです。

つまり測量とは、隣との境界を定め、面積を求めるために行うのです。

土地の測量には3種類ある

土地の測量図には3種類あります。

1.現況測量図
測量士、土地家屋調査士などがその土地のおおよその面積を調べたもの。隣地所有者の立ち会いはなく、隣地との境界を明確にしたものではありません。
2.地積測量図
土地登記簿に登録されている測量図。法務局で取得できます。地積とは土地の面積のことで、土地の形状、境界、地積の求積方法なども記されています。分筆するときなどに使います。
3.確定測量図
隣地の所有者にも立ち会ってもらい、合意を得た測量図。

3つの中では確定測量図が最も信頼できるものです。隣地が私有地の場合は所有者に、道路など公共の場の場合は行政に立ち会ってもらって境界を確定します。

坪単価を割り出すため

日本では土地の取引をする際に、「1坪いくら」という形で売買をしますよね。
1坪はおよそ3.31㎡、畳にしますと2畳分の広さです。

例えば東京都新宿区の坪単価の平均はおよそ300万円です。もし測量が曖昧で1坪分少ない状態で売られてしまったとすると300万円も損することになるわけです。

ですから、適切な土地の価格を割り出すためにも、売却する前に土地の境界線をしっかりと確定させることが必要となるのです。

買主から要求される

土地を売却するにあたって測量は義務ではありません。しかし、購入する方からしたらどうでしょうか?

境目がよくわからない土地の価格を提示されても、それが適正価格なのかどうか判断できないでしょう。

登記簿上は面積が書いてありますが、実測したものではない面積が書かれている場合もあり、実際の面積と異なっているケースもあるのです。

買主としては、購入する前に面積をもう一度測り直し、明確にしてもらった方が安心できますよね。

ですから売買の前に測量が済んでいなければ買主から要求されるケースが多いです。

それなら、買主が安心して取引できるようにあらかじめ測量しておいた方が早く買い手がつくでしょう。

後々のトラブルを防ぐためにも、測量しておくことをおすすめします。

境目がわかりにくい時

隣地との間に塀が建っているなど境界がわかりやすい場合にはトラブルの心配はあまり無いのですが、何も無い場合にはやはりもう一度測量をした方が良いです。

他にも、

  • 境界杭がない
  • 土地の価格が高い
  • 登記簿上の面積と大きな差がある
  • 相続税を物納する場合

などに測量の必要があります。

例えばその土地が高額な場合、たった1㎡違っても金額にかなりの差が出ますよね。

登記簿上の面積で取引することは可能なのですが、実測したものと差が出そうだという時には、きちんと測っておいた方が良いでしょう。

また、相続税を現金で納められない場合、土地そのものを納めることが可能ですが、境界が明確になっていない土地では納めることができません。

物納する際にも隣地との境界を確定させる必要があるのです。

分筆して売却する場合

土地の単位を「筆」といいますが、一部分だけを分けて売る時に、元の土地がどのくらいなのかが確定していないと「分筆」ができません。

全部売るのではなく分けて売る時にも境界の確定が必要になります。

確定測量図があっても再度測量した方が良い場合

では、確定測量図さえあって、境界がはっきりしていれば土地の売買には不都合がないかというと、そうでもない場合があります。

  • 塀、フェンスがない
  • 確定測量図を作成した以降に道路工事等があって境界杭がなくなってしまっている

など、視覚的に境界がわからなくなっている状態の場合は、改めて測量を行った方が良いでしょう。

土地の測量を行わないデメリットやリスク

法律で義務付けられていないなら測量はしなくても良いのではないか、相手と合意さえできれば面倒なことはしなくても良いのではないか、とお考えかもしれません。

しかし測量をしておかないと損をすることもありますし、後々トラブルが起きないとも限らないのです。

登記簿上には一応面積が記載されています。その面積で売買を行うことも可能です。

しかし実際に測ったら、もっと広いかもしれません。

地方の、価格があってないような土地であれば問題ないかもしれませんが、都市部の土地であればほんの少しの差でも大きな価格の差になります。

きちんと測っていればもっと高値で売れたのに!ということにならないためにも、測量はした方が良いのです。

また、その逆もあります。

土地を購入した後に実はもう少し小さかったことがわかったとか、境界が確定していないために隣地の所有者とトラブルが起きたというようなことがあると、買主から訴えられるかもしれません。

買う方としても、境界がはっきりしていない土地なんて怖くて買えないので、結果としてなかなか買い手がつかないという可能性もあります。

そのようなことがないように、お互いのために測量はしておいた方が良いでしょう。

売買の際に測量を行わなくても良いケース

では、土地の売買をするには必ず土地の測量をしなくてはならないかというとそうでもありません。

  • 地方の地価が低い土地
  • 測量するのが大変な広大な土地

このような土地であれば、多額の費用をかけて測量する必要はありません。

例えば田舎の広大な土地などは、そもそも売買が大変なこともありますよね。地価が低いのにお金をかけて測量しても、測量費用の方が高くなってしまいます。

その場合には登記簿上の面積(公募面積)を使って売買されることが多いです。

トラブルが起きにくい、双方ともに納得しているという状態であれば、わざわざ時間をお金をかけて測量をしなくても売買は可能です。

土地の測量を行う時の流れや手順

では実際に測量を行うにはどのようにすれば良いのか、手順などについてわかりやすくまとめました。

測量にかかる期間

測量にはかなり時間がかかるのです。数日で終わるものではなくて、3〜4ヶ月ほどの期間を見込んでおいてください。

ですから、売ろうと思ってから測量を始めると、せっかく買い手がついても境界が確定していないということで契約が成立しない可能性もあります。

もし測量ができていない不安のある土地は、早めに測量をしておいた方が良いでしょう。

測量ができる人

測量は、土地家屋調査士や測量士などの専門家が行います。専門家は自分で探して依頼してもいいですし、不動産屋から紹介してもらうこともできます。

費用はまちまちですが、確定測量図を作るのであれば土地家屋調査士に依頼しましょう。測量士も測量自体はできるのですが、

  • 官民境界確認
  • 登記するための測量

ができないのです。

売買するとなると登記簿上に正確に面積を載せたいわけですから、最初に測量士にお願いしても結局土地家屋調査士に依頼することになってしまうでしょう。

資料を集める

土地に関する資料を集めましょう。

  • 公図(土地の形状、位置などの図面)
  • 登記簿謄本
  • 地積測量図

また、過去の境界確定のための資料や隣地とのトラブルがあった場合にはその経過についてなど、関連する資料を提出することで、測量の費用などが割り出されます。

隣家への挨拶、依頼

境界を確定するにあたっては隣地の所有者の協力が不可欠です。

勝手に「測量を行うので承認してください」というわけにはいきませんから、きちんと挨拶をして測量の趣旨を説明しましょう。

その時に測量の確認の時には協力して欲しい旨のお願いもします。

今後の作業をスムーズに進めるためにも、きちんとしておきたいところです。

測量

資料が揃って挨拶が済めば、実際の測量に入ります。

測量が終わると隣地の所有者にも立ち会ってもらう必要がありますから、いつ頃立ち会ってほしいかなどを伝えておきます。

境界確定

測量が終わったら隣地の所有者にも確認してもらい、境界の確定をして承諾書をもらいます。

道路と接している部分については行政にも立ち会ってもらわなくてはなりません。

その土地に隣接している関係者すべての承諾をもらわないと境界が確定しないので、すべての人に立ち会ってもらいます。

境界標の埋設

境界が確定したら、境界標(その境界を示すための杭)を埋設します。

どのような土地なのかによって素材は変わってくるのですが、コンクリートや金属プレートなど、長期間埋められていても大丈夫な素材で作られます。

また、誰が見ても「ここが境界である」ということがわかるような杭でなくてはなりません。

測量図の作成

境界が確定し、杭も打ち込んだところで、ようやく図面の作成です。

測量によって明確になった面積に基づいて測量図を作成し、もし登記簿と違う部分があれば土地地籍更正登記を行います。

これによって正確な登記になるわけです。

測量図を作ったら、合わせて境界確認書も作成しておきましょう。

境界確認書とは境界標が動いたり抜けてしまったりした時に備えて、境界を確定したことを書面として残しておくのです。

測量図を添付して保管しておけば、後々もし隣家に何か言われてもトラブルを予防できるでしょう。

専門家に頼んだ時の土地測量にかかる費用

土地の測量は素人ではできませんので、専門家に頼むことになります。費用は数十万円かかります。

売主負担が一般的

費用の負担は売主と買主、どちらが負担すべきかが決まっているわけではありませんが、一般的には売主が負担することが多いです。

どうしてもこの土地を売って欲しいなどの依頼があった場合には買主が申し出て負担することもありますが、普通は売ろうと思う側が測量を行ってから買い手を探す、となるでしょう。

費用には幅がある

土地の測量費用はかなり幅があります。

というのも、境界が複雑であったり、関わる人が多かったりするとそれだけ手間がかかってしまうため、費用が高額になることもあるのです。

一般的な相場は35〜45万円くらいだといわれていますので、それほど複雑な地形でなければ40万円前後を見込んでおくと良いでしょう。

測量費用が高くなりがちな土地

では、費用が高くなってしまう土地とはどのような土地なのでしょうか。

まず、官民立ち会いの土地(道路などに隣接している土地)は測量費用が60〜80万円とかなり高額になります。

ですから、私有地と隣接している部分だけ関係者の承諾を得るようにし、公有地との境界については官民査定を省略することもあります。

その場合は、買主了承のもとに現況測量図を使用します。

また、

  • 複雑な地形の土地
  • 過去にトラブルのあった土地
  • 境界標の多い土地
  • 関係者が多い土地

などは、場合によっては100万円を超えてしまう場合もあります。かといって、土地を売るためには測量を省略はできないので悩ましいところです。

後々のことを考えると土地の測量は必須。早めに準備を

数十万円の費用を考えると決して安くはない土地の測量。しかもかなり時間もかかります。

しかし早く買い手を見つけて適正価格で売るためには、やはり測量をしておいたほうが賢明でしょう。トラブルも防げますし、自分が損をする心配もありません。

時間がかかりますので、所有している土地がきちんと測量されていない場合には、早めに測量しておいたほうが良いでしょう。

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